【藤田聡先生】実践知プログラム担当教員からのメッセージ その3(学内限定)
2020.4.30
【藤田聡先生】
専門は装置機器学、振動学
免震・制御装置の研究開発、耐震設計から昇降機安全に従事
【藤田聡先生からのメッセージ】
降って湧いたようなCOVID-19禍,自宅での仕事が続くと,色々なことを思い出してしまいます。
「世の中には突然襲いかかる事態がある」ということに関してです。
私の母方の祖母は,日清,日露,第一次大戦,第二次大戦の戦争と,関東大震災(東京の牛込加賀町の自宅で被災)と
人生において多くの災害を経験しています。1918-1920年に世界的に大流行し,日本でも当時の人口5,500万人に対し
約2,380万人が感染し,39万人ほどが亡くなったスペイン風邪も経験しているはずです。
そのせいか非常に神経質な面があり,アルコールティッシュなんて便利なものがない時代,いつも金属製中蓋付き
携帯用ケースにアルコール脱脂綿を持ち歩いておりました。外食の際には,それで手を拭かれていました。
そんな祖母から習った教訓,実は今役に立つのではとつらつらと思い出していました。
・図書室で借りてきた本は,1日陰干しにしてからでないと読ませてもらえない。
・バナナの皮も,アルコール消毒。
・◯◯屋のクリームパンは食べてはいけない.これは,関東大震災の後,近所の子が疫痢にかかって
亡くなったからだそうであった。
恐らく,1920年のスペイン風邪の大流行や地震災害後の衛生状況が悪くなった時期も経験しているのでしょう。
非常に神経質でした。誰かが伝えなければ,人はそうした経験もすぐに忘れていってしまうのですね。
そういえば,母方の祖父は非常に優秀な方で,実は私の大学進学の頃まで,英語と数学はよく教わっていました。
中学の頃,爆音でロックを聴いていると,庭に出てきては,泣きそうな顔で私のことを見るので,
一応雨戸を閉めて聴くことにしていました。そんな祖父が,私が高校生のある日,機嫌よさそうに,
「聡くんの履いているズボンはなんというのかね?」と聞かれましたので,当時流行っていたバギーパンツっていうんだよ,
なんて答えたところ,「大正末期から昭和初めにモボ・モガっていうのが流行って,だぶだぶのセーラーズボンを履いていたが,
そっくりなんだ」とのことで,どうも世界大戦に突入していく暗いイメージしかなかった私には不思議な気がしたものでした。
戦争は或る日突然始まる,災害も或る日突然起きる,そしてその後の生活は一変する。これが,祖父母から教わった教訓である。
曽祖父の弟は海軍の技術将校で,太平洋戦争開戦直前まで,海軍のニューヨーク事務所に度々行き,MITの先生方と共同研究開発を
していたと,祖母に聞きました。
地震や,今回のような感染症,そして戦争はある日突然起こり,そして生活は一変するのですね。
でいつか,人々の記憶から薄れていくのだと思います。
こんな時は,休日も外に出ず,音楽鑑賞や読書などはどうでしょうか。事務局の宗前部長からも「先生の得意なハードロックでも
紹介したらどうです」ということなので,今の気分で今や若者の心を捉えていない気もする今回はロック限定,各アーチスト2枚以内で
アルバムを10枚程推薦します.
The Rise and Fall of Ziggy Stardust and The Spiders from Mars / David Bowie
Hunky Dory / David Bowie
The Lamb Lies Down on Broadway / Genesis
I / Led Zeppelin
II / Led Zeppelin
Hot Rats / Frank Zappa
Lizard / King Crimson
Aftermath / The Rolling Stones
The Dream of the Blue Turtles / STING
The Wild Places / Duncan Browne
ま,今日の気分なのですが,良いレコードだと思います。